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埋没鉄類探査 > 主要探査機器

日本物理探鑛製にこだわる理由

弊社が磁気探査で使用する機器類のほとんどが「日本物理探鑛製」です。探査機器メーカーより購入した機器でも業務を行うこともできますが、現場で求められる顧客ニーズに応えるには汎用性が低く、ある条件下では探査ができないなどの弊害もあります。日本物理探鑛ではこうした不可能を可能にすべく「無いものは作る」で探査機器を開発し、現場の声に応えてきました。現場のニーズは年々変化していきますが、その時々のニーズに沿った探査機器の開発・改良を重ねています。

 以下は弊社が業務で使用する探査機器の一例です。

両コイル型磁気傾度計


 コイルを台の上に置き、その周辺の地場の強さを変化させると電磁誘導作用によりコイルに起電圧が生ずる特性を利用したのもです。

地球磁場によって感応磁気を生じた鉄類は、その近傍でコイルを移動させるとコイルの軸方向の磁場の強さが変化して起電圧を生じます。この起電圧はコイルの軸方向の磁場の強さの変化率に比例します。
 しかし、コイルを移動して探査するとき、軸方向が少しでも回転すると地球磁場による起電圧を生じてしまい(動揺ノイズ)、その大きさはしばしば探査対象物などの埋没鉄類による磁気異常よりも大きくなり、測定誤差を大きくする原因となります。したがって精度のよい測定をするにはコイルの方向を一定に保ち動揺ノイズの発生を押さえなくてはなりませんが、コイルの方向を一定にして移動することは甚だ難しいことです。

そこで、感度が同一の2つのコイルを1~2m間隔に軸方向を一致させて固定し、出力の極性が逆になるように結線します。このようにしたものを両コイル型磁気傾度計といい、動揺ノイズを2つのコイルが打ち消し合うため、測定記録のSN比が向上します。




両コイル型磁気傾度計の内部(上段:鉛直磁気探査用,下段:水平磁気探査用)



両コイル型磁気傾度計 一式
左から地下構造物探査用、陸上鉛直磁気探査用、陸上水平磁気探査用、海上水平磁気探査用


フラックスゲートセンサー

フラックスゲート型磁力計のセンサーは、高透磁率磁性材料でできたコア(鉄芯)に一次および二次コイルが巻かれたものです。一次コイルに交流を流すことによってコアを励磁して外部の直流磁界によって生じる二次側の出力電流から磁界強度を求めるのが一般的な原理です。

 まず、鉄芯に一次コイルと二次コイルを巻いて、左図のような一種のトランスを考えることにします。トランスとは一次コイルに変化電流Iを流して、鉄芯中に磁束φを発生させ、そのφ の変化によって二次コイルに誘導電圧Eを発生させるものです。鉄芯の断面積をSとすると、磁束密度はφSとなります。このB は磁化力H によって鉄芯が磁化したことによって生じたもので、そのH の源が電流Iになります。 HBとの関係は鉄芯の磁気特性によって規定されます。鉄芯はパーマロイのように透磁率が非常に高く、小さな場でも容易にB が飽和される材料を用います(下図(a))。 電流Iを周波数fの交流(正弦波)とすると、Hも同様な正弦波形となります。Bも基本的には周波数fで変化しますが、この際Bの正負のピークは飽和してややつぶれるようにHの振幅を調整しておきます。この鉄芯に地球磁場(特にH0とします)がさらに加わると、その分だけ鉄芯中の磁場は一方にかたよります(下図(b))。これによるBの波形は、片側のピークが強くつぶれて非対称なものとなります(下図(c))。この非対称性(歪)の度合を検出することでH0を測定できます。非対称性の目安として、そこに含まれる2f成分の正弦波の振幅を用います。その意味を同図(d)で解説します。
 すなわち、f2fの2種の正弦波形(実線)を図のように配置して加えあわせると、点線のように正のピークは低下し、負のピークは絶対値としては大きくなります。波形の非対称性が強まるほど(H0が大きいほど)、f 成分に対する2f 成分の比は大きくなります。 二次コイルの誘導電圧は当然2f成分も含んでいます。この振幅(電圧)を適当なフィルタを通して検出し、実験的に定まる係数を乗じると磁場の強さH0が得られます。このような原理で磁場H0を求めるのがフラックスゲートセンサーです。





パーマロイのB-H 曲線と交流磁場の波形




 
フラックスゲートセンサー(左:Δシステム 右:フラックスロッド)     





金属探知器

金属探知器の測定原理は、電磁誘導を利用したもので、磁場の強さ・位相の変化量を測定することにより、金属導体の存在やその大小を探知するものです。
 左図に示すようにセンサーの1次コイルに電流を流すとコイル内に一次磁場が発生します。このセンサーの一次磁場付近に他の導体(金属)があると導体の表面を一次磁場の磁力線の一部が貫くために導体内に渦電流が発生し、この渦電流によって二次磁場が発生します。このとき導体内に発生した二次磁場が2次コイルを貫くため、上述とは逆に2次コイル内に誘導電流が発生します。このような現象を利用して1次コイルの電流を適当な周期で変化させることにより発生する渦電流による2次磁場を探知し、金属導体の有無やその大小を探知します。



TW-2019 型 金属探知器 一式

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